【イケメンの法則】身近にいた誰かに対してカッコイイと感じた、あの気持ちがカッコイイの原点

♠️子供のころは何がカッコイイのかよくわからなかった。思いでのカッコイイやつには学ぶものがある

このブログを始めてまもなく「外見的のことばかりじゃなく、内面的にカッコイイ男性のことを教えて」と知人の女性からメールをもらった。

それっていかにもガールズ的なご意見、尚かつカッコイイの本質に迫ることじゃないか。

困るほどではないにしても、ちょっと書きにくい。なぜなら男から見たカッコイイやつと、女から見たカッコイイやつは異なるわけで。

その中間に大いなるヒントがあるのは重々承知していますけれど、女性がカッコイイと思うのは、たとえば仕事ができる男? 偏差値の高い男? 思いやりのある男? 包容力と経済力があって自分勝手ではない男?

そのような男は、きっとカッコイイにちがいない。どれか一つでも習得できるように、我々メンズは日々精進するしかない、てな感じで話が終わるだろ、などと考えていたら思いだした。

子供のころは、容姿に関係なく、身近なところにカッコイイやつがいた。当時は外見的なことより、発言や行動をカッコイイと感じていたように思う。

世間一般、多くのひとにカッコイイと思われるのは、今も昔もスポーツに関わる勇姿だと想像するけれど(一発逆転ゴールを決めたとかね)、ファッション文化系のモノズキ的におぼえがあるのは、体育会系ではないシチュエーション。その瞬間には毎度言葉がともなっていた。

たとえば小学生のころ、スポーツマンタイプのSくんと、ときどき、一緒に遊ぶことがあった。

友達と言えるほど親しくなかったけれど、あるとき、ジャイアンみたいなやつにモノズキがからまれていると、あいだに入って助けてくれた。

「何かあったら呼んで。俺が守るから」

アクションヒーローのセリフみたいな言葉に、え? と驚きながら、気高くも頼もしくも感じて、さすがSくん、カッコイイ、と思わずにはいられなかった。

今にして思うと学校一のハンサム少年。走るのも誰より速かった。できすぎてニクイ感じだけど、情に篤く正義感の強い男は、文句なくカッコイイ。

俺が守るから、なんて恥ずかしくてとても言えないと思いながら、家路に向かいながら一人でつぶやいたのをおぼえている。

それから中学時代の同窓、男女数人で夜中まで遊でいたときのこと。そろそろ、帰ろうかとなったときにHくんが「うちくる?」と言いだし、男子だけで泊まりに行った。

モノズキともう一人、つまり二人一緒にお邪魔したわけだけど、さあ、寝ようと部屋の電気を消すと、もう一人の友人が「何かいる!」と言いだし「え? 何々?」と暗がりの中で騒然とした。するとHくんが声を上げた。

「大丈夫、気にすんな、いいから寝ろ」

瞬時に部屋は静まり返り、もう一人の友人はすっかり安心したかのように寝息をたて始めた。

いったい、暗がりの中に何がいたのか、ゴキブリ? ねずみ? 幽霊? あるいは寝言だったのか、モノズキは眠れずにいつまでも考えながら、ひとことで友人を黙らせてしまったHくんが、妙にかっこよく思えた。

気にすんな、いいから寝ろ、とふとんの中で真似したのをおぼえている。

ダイニングバーでバイトしていた高校時代、バイク通学は禁止だったけれど、学校に行くのもバーに行くのも50ccのバイク、いわゆる原チャリを利用していたころのこと。

バイトは許されていても、十八歳未満は夜十時までしか働けない決まりだった。タイムカードを押して退出すると、店先でA先輩と出くわした。

A先輩もまだ高校生だったけれど、その店では十八歳になっていれば深夜まで働いてもOK、ということになっていた。

当時、A先輩はいかにもチンピラ系のコワオモテ。軽量級のボクサーみたいに、いかつくも細い体つきをしていて、癖毛の短髪がパンチパーマのようだった。おまけに鼻の下には髭を生やしている。

それまで擦れ違いざまに挨拶くらいしか交わしたことがなかったけれど、A先輩は何を思ったのか、バイクで帰ろうとしていたモノズキのところにやってきて言った。

「気をつけて帰れよ」

その言い方、その眼差しがやけに真剣な感じだった。もしかしたらA先輩は、身近な誰かをバイク事故でなくしたのかもしれない、などど想像せずにはいられなかった。

気をつけて帰れよ、という言葉にしても、当時の自分には思いつきもしない。誰かに対して言ったこともない、その言葉になんだかキュンとして、カッコイイ、とヘルメットの中でつぶやいたのをおぼえている。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ: